初めて作ったオーダーケーキは同僚の誕生日ケーキでした。その子の好きなものをデコレーションしてみんなでサプライズのお祝いしたとき、涙を浮かべて喜んでくれたのが嬉しくて。こんな楽しい思い出をまた作ることができたらいいなと思ったのが、オーダーでお菓子やケーキを作ることのきっかけになった気がします。
ホテルやレストラン、ケーキ店などで働いてきましたが、ご予約から打ち合わせ、お渡しまで全て直接お客様とやりとりできる“オーダー”というやり方が、自分には一番しっくりきています。お客様の思いや反応も直接感じることができて、一緒に作っているという充実感があるんです。
誕生日のお祝いはもちろんのこと、「プロポーズをしたい」とご相談いただくこともあって。どうしたら驚いてもらえるかな?と、喜びの瞬間を想像しながら一緒に考えられるのが、とても嬉しいなと思っています。
アトリエでは不定期で、季節のフルーツをピックアップしてお菓子を作る「素材を愉しむワークショップ」を開催しています。素材の味を生かしながら、新鮮な組み合わせでお茶でもお酒でも合うようなデザートをコースで召し上がっていただいています。
今回の喫茶では春のフルーツの代表でもある「イチゴ」を使ったデザートを2作ります。
イチゴと言えば一番に思い浮かぶのはやっぱりショートケーキ。イチゴを使ったデザートは幸せな場面で登場することが多くて、見るだけでぱっと笑顔になれるような、明るい空気を持ったフルーツだなと思います。
喫茶でのケーキは「イチゴ」と意外な素材との組み合わせで、大人っぽい一皿になるので、どうぞお楽しみに!
栄養士の短大卒業後、ホテルやレストラン・ケーキ店などでパティシェを経験後、2005年9月に「コンセプトをスウィーツでカタチに」をテーマに、オーダースウィーツ専門店『SWEETCH』を立ち上げる。現在は広尾にて、バースデーケーキやウエディングケーキ、撮影用のお菓子制作のほか、 ワークショップ、お菓子の素材を使った展示なども行っている。